
3Dプリンター作成の義歯
歯科はこれから深刻な技工士、技工所不足に直面し、特に義歯作製には大きな問題です。その対応策のひとつが歯科技工のデジタル化です。スキャナーと3Dプリンターを活用した治療義歯から本義歯製作は実用領域に到達しつつあり、それらの対応策としてひとつの選択肢になります。
従来の手作業による義歯製作工程は、精度や効率の面で多くの課題を抱えていました。しかし、スキャナーと3Dプリンターの導入によって、患者ごとの口腔内条件に合わせた高精度な義歯を短期間で作製することが可能となっています。毛呂先生は過去7年にわたり研究を重ね、スキャナーと3Dプリンターで治療義歯から本義歯を作製する最先端の3Dプリント技術とアナログ義歯の良さを融合させることに成功しました。
治療義歯は、抜歯直後や口腔内の状態が安定していない時期に装着する仮義歯で、義歯を新製するのに既存義歯をベースに設計し、本義歯が出来上がる期間装着する義歯になります。患者の咀嚼や発音機能を維持しつつ、粘膜や骨の治癒を促進する役割も担っています。治療義歯は本格的な義歯を作製するまでの期間、一時的な使用を想定していますが、快適な装着感と精密な適合が求められるため、高品質な治療義歯を提供する必要があります。スキャナーと3Dプリンターによる治療義歯から本義歯作製は、これらの患者の要望に応えながら、精度・迅速性・柔軟性を兼ね備え、今後の歯科治療のスタンダードとなる可能性を秘めています。
毛呂 文紀 先生(医療法人千志会毛呂歯科医院 理事長)